遺伝子検査の基礎知識|遺伝の仕組みを知ろう!「潜性(劣性)遺伝」とは?
【連載】オリベット 遺伝子検査ナビ🧬:遺伝子検査の「基礎知識」 Series002
遺伝性疾患の遺伝形式を知ろう
潜性(劣性)遺伝の基本①
前回は、遺伝子検査には「遺伝性疾患検査」「形質検査」「犬種鑑定」など、目的によってさまざまな種類があることをご紹介しました。
今回からは、遺伝性疾患がどのように受け継がれるのか、「遺伝形式」について見ていきます。
遺伝形式にはさまざまな種類がありますが、今回はまず基本となる「潜性(劣性)遺伝」と「顕性(優性)遺伝」に注目します。
そのうち今回は、潜性(劣性)遺伝についてご紹介します。
潜性(劣性)遺伝とは?
犬や猫は、多くの遺伝子について、父親と母親からそれぞれ1つずつ遺伝子を受け継いでいます。
今回取り上げるのは、常染色体潜性(劣性)遺伝です。
※常染色体:性別を決める性染色体以外の染色体
潜性(劣性)遺伝する疾患では、疾患に関連する変異を1コピーだけ持っている場合は、通常は病気を発症しません。
一方で、母親と父親の両方から変異を1コピーずつ受け継ぎ、2コピーの変異を持つ場合には、その疾患の発症リスクが高まります。
ここがポイント!
- 変異を1コピー持っていても、通常は発症しない
- そのため、症状がなくても、変異を持っている可能性がある
- このような個体は、一般に「キャリア(保因)」と呼ばれる
- 変異を2コピー持つ場合は、その疾患の発症リスクが高まる
つまり、潜性(劣性)遺伝する疾患では、症状がなくても変異を持っている可能性があり、交配の組み合わせによっては、その変異が次の世代へ受け継がれることがあります。
そのため、遺伝子検査では、個体自身の発症リスクだけでなく、繁殖によって変異がどのように受け継がれる可能性があるかを知ることも重要です。
常染色体潜性(劣性)遺伝形式を取る疾患例
犬
- フォン・ヴィレブランド病(vWD)
- 運動誘発性虚脱(EIC)
猫
- ピルビン酸キナーゼ欠損症(PKD)
- 脊髄性筋萎縮症(SMA)
🧬まとめ
潜性(劣性)遺伝では、症状がなくても変異を持っている場合があります。そのため、遺伝子検査で変異の有無を確認し、検査結果を正しく読み取ることは、個体の健康管理に加えて、繁殖における遺伝リスクを考えるうえでも重要です。
次回は「潜性(劣性)遺伝形式の検査結果の読み方」
では、実際に遺伝子検査をすると、どのような結果が出るのでしょうか?
潜性(劣性)遺伝形式をとる疾患の検査で見られる「クリア」「キャリア」「ポジティブ/アフェクテッド」などの結果について、それぞれの意味や読み方を詳しく解説します。